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評判の科学

2013年10月15日 00:25

人間や他の生物が「評判(=他の個体による評価)」からの影響をどのように受けるかについての研究結果をまとめた本。いくつかのエピソードをメモ:

・名声バイアスの活用
 - 一つの専門分野で秀でている人物は他の分野でも秀でていると思われる。(タイガーウッズの不倫問題で、アクセンチュアはタイアップ契約を打ち切ったが、ナイキは打ち切らなかった。)
・Webは気前の良さを示す絶好の場所
 - MP3や動画ファイルなど違法コンテンツの譲り合い
・「私たちが自慢する者を拒むのは、彼が自分のプライドのために、いつか誰かを殺すからだ」
・人は匿名で、落とし物を届ける。
・赤ちゃんにストーリーを見せて「妨害者」と「協力者」を選ばせると協力者を選ぶ。また妨害者に罰を与える者にも好意的である
・大人の会話の60%はそこに居ない人の事
・社内での評判は来年も再来年も変わらない
・他人が見ているときの方がけんかが増える(けんかの原因は恥や屈辱が多い)
・シジュウカラは観客の他のオスを意識して戦う事がある。
・人の顔のような図形が視野の中に入ってくるだけで、気前が良くなる
・2010年イギリスの国会議員の経費内容の情報公開によって多くの議員が落選した
・2008年サブプライムローン破綻時、銀行家や評価会社は誰も恥じていなかった。むしろ自分達は生き残った者、とすら考えていた。
・アマゾンレビューのレビューアのスコア算定方法はたまに切り替えて、同じ人がずっと頂点に居ないようにしている。ただし殿堂は用意されている。
・ランクを利用した評判システムは、ランクを上げる方法が明らかになってはいけないため、ランク算出システムは非公開にしている事が多い。
・Ihollaback.org, Dontdatehimgirl.com, iparklikeidiot.com などのサイト



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ワークシフト

2013年10月14日 23:16

ワークシフト


未来(2025年)の働き方を予想する本、未来を形作る5つの要因を組み合わせて「漫然と迎えた暗い未来」や「積極的に幸せに生きるための未来」のストーリーを提示している。以下メモ:

○未来を形作る5つの要因
1.テクノロジーの進化
・世界の50億人がインターネットに接続する
・地球上のどこでもクラウドに接続可能になる
・生産性が向上し続ける
・ソーシャルな参加、群衆の知恵が可能になる
・知識がデジタル化する
・バーチャル空間でのアバターの利用が普通になる
・人工知能アシスタント
2.グローバル化
・24時間休まない世界
・中国とインドの経済が成長
・発展途上国での倹約型イノベーション
・世界中で都市化が進行
・先進国を含めた世界中に貧困層が出現
3.人口構成の変化
・Y世代の影響が拡大
・寿命が長くなる
・貧しい老後を迎える世代がある
4.社会の変化
・家族のあり方が変わる
・自分の人生を見つめ直す人が飢える
・女性の力が強くなる
・大企業や政府に対する不信感が強まる
5.エネルギー環境問題
・エネルギー価格上昇

●暗い未来
・時間が細切れになる。(1990年代、仕事は家でできなかった。)
・家族と離ればなれになる。(都市化、飛行機燃料価格の上昇により)
・仕事から遊びの要素がなくなる。
・先進国に貧困層が増える
・ブランドは自分がどういう人間か印象づけるための世界共通通貨

○明るい未来
・クラウドを利用して多様性のあるメンバーとアイデアを出し合い、co-creationする。
・積極的に社会と関わる未来
・ミニ起業家が増える(高齢の労働人口が増える)
・新興国でのイノベーションが増える

○3つのシフト
・ゼネラリストから連続的専門家へ、セルフブランディング
・「頼りになる同志」、「ビッグアイデアクラウド」、「自己再生コミュニティ」の三つの人的ネットワーク
・消費より経験に価値をおく社会へ


偶然の科学

2012年05月04日 04:03

社会学の領域において予測がいかに難しいか、またいかに後知恵説明がまかり通ってしまうかについて、実例をあげて解説している本。10章の望遠鏡の話が良い。

1.常識という神話
地下鉄で知らないひとに席を譲るように頼む事は激しい抵抗感がある(見えないルールがある)。非公式のルールの方が重要な場合がある。
 
物事の説明には、実際に起きた事に基づいて説明しがち。 
 
2.考えるということを考える
ドイツとオーストリアでは臓器提供への同意率が12%と99.9% である。学生たちは隣国同士でなぜこのような違いが生じるのか真剣に議論したが、正解はオーストリアでは臓器提供に関する選択肢において同意する方がデフォルトになっているだけだった。
 
クラウドソーシングで依頼した同じ内容の作業の質(正答率)は、報酬額によって全く変わらなかった。また、各被験者に「この作業の適正な報酬額はいくらか?」と聞くと、1セントで働いた者は5セント、5セントで働いたものは8セント、10セントで働いたものは13セントと答えた。 
   
3.群集の知恵(と狂気) 
モナリザは盗難事件で有名にならなかったら今の価値があったかどうかわからない 。
 
グラノヴェッターの暴動モデル:「集団の中でn人が暴動に参加したら自分も参加する」という閾値nを持った人の集団。各人のnが0から1,2,3...と一つも飛ばさずに分布している場合のみ全員が参加する暴動が成立する。
 
「よく売れたのはたくさんの人々が買ってくれたからです」 
 
4.特別な人々
ソーシャルネットワークにおいて、情報の拡散にはインフルエンサーの影響力はそれ程大きくない、それよりも影響されやすい人々の存在が重要。(山火事が広がるために、燃料となる木が必要なのと同じ) 
 
5.気まぐれな教師としての歴史
後知恵バイアス、サンプリングバイアス:事故が起きた場合にだけ当時の条件について注目される(同じ条件で今まで事故が起きて来なかったにも関わらず) 。
 
7.よく練られた計画
「予測市場」 は群集の知恵を取り入れた予測が可能だが、市場操作に対しては無力である。
 
8.万物の尺度
予測しない方法:ZARAはまず多数の商品を店舗に配置する。実際に売れた商品だけを追加生産する。
 
広告の効果は今までわからなかった。webサイトのバナー広告で計測した結果、40代以上には効果があった。
 
ブライトスポットアプローチ、ブートストラップ: 現場で一部の人が実際に実行している改善を全体に共有するだけで、問題解決
 
9.公正と正義
飲酒運転した場合と、飲酒運転で人身事故を起こした場合、同じ刑が適用されるべきか?それとも後者が重い刑になるべきか。
 
10.人間の正しい研究課題
社会科学にはこれまでニュートンはおろか、ケプラーすらいなかった。社会学はSNSという望遠鏡を手に入れたので今後研究が進むだろう。



皇帝の新しい心

2010年05月26日 21:55

皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則

※20年前の本ではあるが、私的GW課題図書として読んだのでメモしておく。

誰もが直感的には違和感を感じることをひたすら突き詰めた結果を
ひとつのテーマに沿って数学、物理、哲学を駆使してまとめたすごい本。
ひとつのテーマとは「人間の心」とは何か、ということ。

違和感を感じる例として以下のようなものが挙げられていた。

 ・人の脳が計算機でシミュレート可能なら、
  計算機は心を持つのか?
  (yesと答えるのは「強いAI」という立場といわれる)

 ・物理法則が時間に対して逆転できるならどうして宇宙は
  ブラックホールと同じようにホワイトホールがたくさんないのか?
  (どうして宇宙のエントロピーは初期に低かったか?)

 ・量子力学にはU(ユニタリ発展)とR(測定による波動関数の収縮)
  があるが、測定を行うのは誰か?

 ・Rによる測定は時間反転すると不自然になる。
  「光源から光子が放出される確率が1/2」
   →「光子を測定したが、光子が放出される確率は1/2だった
     (1と分かりきっているにも関わらず)」

 ・どうして、量子力学と一般相対性理論は両立しないのか?

そして、量子力学と一般相対性理論が両立しないのは、よく言われているように
相対論の方を修正するのではなく、(それがどんなものかは分からないが、)
量子力学を正しいものに修正するべきなのではないか、と述べている。
例えばそれによって

 ・ブラックホールが情報を消滅させる代わりに、Rが情報を
  生成させ、位相空間上の流線が埋め合される。

ようなことが可能なのではないかと(かなり型破りな考え方であることを
強調した上で)提案されている。

この本の初版から20年たってこのあたりの話題はどう扱われているんだろうか…。
この本の中には、そういった問題を科学者は物理法則でなく与えられた
「初期値」の問題として興味の対象外してしまうことが多いと書いてあったが
最近はどうなのだろうか。

厚さといい扱っているテーマと言い10年前に読みたかった。今読んでも十分面白いけど。
10年前は7000円もする本は買えなかったなー。


Introducing Gizzard メモ(1)

2010年04月08日 04:01

Introducing Gizzard, a framework for creating distributed datastores (1)

TwitterエンジニアブログでGizzardというミドルウェアの話が紹介されていて非常に興味深かったのでメモ取りながら読んでいます。以下メモ。

sharding入門

現代のWebサイトは一台の計算機では効率的に情報を保存できないような量の情報に高速にアクセスする必要がある。
この問題に対する良い方法は情報を"shard"することである。つまり、情報を複数のコンピュータに分けて保存する。

シャーディング戦略はパーティショニングとレプリケーションの二つの技術を使う。
パーティショニングによってデータは細かい単位に分けて複数の計算機に保存する。それぞれの
塊はそれぞれのコンピュータで効率的に保管して操作やクエリできるように十分細かくしておく。
レプリケーションによって複数のデータのコピーをいくつかのマシンに跨って保存する。
それぞれのコピーは多くのクエリに答えられるようにそれぞれのマシンで稼働する。
レプリケーションはどこかのデータのコピーが壊れたり汚れたりしても他のコピーが
同じタスクをうまくこなせるようにも働く。

問題はシャーディングが難しいことである。ある種のデータを賢くパーティショニングするには
よく考える必要がある。さらに難しいのは信頼できないコミュニケーションや
予測できないコンピュータの障害に関わらずデータの一貫性を保つことである。
最近nオープンソースのDBはこの問題を解く助けになる。残念ながら
これを書いている時点では、ほとんどのオープンソースのプロジェクトは未発達で
現実の問題を解くには限られている。これらの新しいデータベースは将来の見込みは大きいが
現在はもっと経験的なカスタマイズが必要である。

シャーディングフレームワークとは

Twitterはいくつか分散データストアをカスタマイズした。多くは一般的によく知られているもので
我々で拡張することができ、簡単にメンテナンスできて再利用可能である。我々は
ScalaフレームワークのGizzardを拡張した。耐障害性を持った分散データベースを簡単に作る
ことができる。

Gizzardはあるクラスの問題をとくための標準的なテンプレートを提供するフレームワーク
である。このテンプレートは万人に完璧ではないがデータストレージ問題に関しては広く
活用できる。高いレベルでは、Gizzardは任意のバックエンドのデータストア(SQL Database,
Lucene,...)によるパーティショニングをマネージするネットワークサービスとも言える。
パーティショニングルールはフォワーディングテーブルに置かれ、それはパーティションする
キーのレンジをマッピングする。それぞれのパーティションは宣言されたレプリケーションツリーを
通じて自分のレプリケーションを管理する。Gizzardは「マイグレーション」(たとえばクラスタへの
弾力的なマシンの追加など)をサポートし、優雅に障害を処理する。システムは
すべての書き込み操作が操作が失敗して(例えばネットワーク障害などで)後で
やり直せば冪等であるような要求の元、Eventually consistetになる。

Gizzardの非常にシンプルな例がRowzという分散key-valueストアである。Gizzardを素早く
動かしてみたいならRowzをクローンしてカスタマイズするといいだろう。

しかし、最初にGizzardがどのように動いているか、詳細を見てみる。

Gizzardはミドルうウェアのようにネットワーキングサービスを操作する。それは
クライアント(標準的にはPHPやRoRのようなWebのフロントエンド)と多くのパーティションニングされ
レプリケーションされたデータの間に入る。中間に立ち、すべてのクエリと操作の流れが
Gizzardを通る。Gizzardインスタンスはステートレスでスループットを持続させることとTCP接続の
期限を管理する事だけが必要である、なぜならこれはJVM上で動作し極めて効率的だからだ。
TwitterのGizzardアプリケーション(FlockDB 分散グラフDB)はコモディティマシンを使って
10000のクエリを一秒間でさばくことができる。あなたのがたの受ける利益はもっと違ったものになるだろう。

Gizzardはどんなデータストレージでもバックエンドに持ってくることができる。

Gizzardはネットワークで扱えるデータストレージサービスをどんなものでもレプリケーションするように
設計されている。これはレリーショナルデータベースでもいいし、Lucene,Redis,何でも想像するもの
すべてよい。一般的なルールとしてGizzardは書き込み操作がすべての冪等であることを要求する、この
ことによりバックエンドのデータストアを使うためにいくつかの制約が設けられるだろう。特に
Gizzardは操作の順序を保証しない。それゆえに書き込み操作の順序がシステムの一貫性に影響を
与えないような設計が必須である。

続く(多分)



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